イドリヤのボビンレース

スロベニアお土産

スロベニアの伝統工芸品、かつお土産にもオススメのボビンレースについてお伝えしようと思います。

このレースはスロベニアの大事な文化遺産の一つで、長い歴史があります。名前にもなっているイドリアのレース(Idrijska Čipka)というのは世界遺産にも登録されている水銀鉱山があるイドリアという街が発祥の地であることから名付けられました。

イドリアのボビンレース

ボビンレースは、モチーフが書いてある型紙を専用のクッションがある台に固定し、そこに糸を巻きつけたボビンを固定し織って作るレースです。

商品になるレースは糸付きボビンを5、6本使っていて、本当に魔女のように美しいレースを紡ぎ出します。

まず美しい模様、モチーフを作るには高度な技術、技の習得が必要不可欠ですが、数学と同じで一つでも技を飛ばしたらレースは作れないそうです。基本をしっかり全て習得しないと次には進めないのです。

また一つずつ手作業で仕上げますので、本当に小さなオーナメントを作るのにも相当な時間を要します。決して機械では作らないのがイドリアレースなのです。したがって少し高いなと思われるお客様も多いのですが、かかる時間や技術に見合った金額になっているのです。

歴史

17世紀の終わり頃、イドリヤにあった水銀鉱山の仕事が減っていた頃にレースづくりが始まりました。鉱山の仕事は力仕事で長時間労働。男性は鉱山で女性はお家でレースを作っていたわけです。

1875年、フランツ・ラパニイェさんがレースの会社やお店を作り、ヨーロッパやアメリカにも販売され、成功を収めます。翌年、イヴァンカ・フェリャンチッチさんが大人や子供さん、趣味としてまたは専門職としてレースづくりを学べる学校を設立しました。その学校は今現在も続いています。

レース産業は第一次世界大戦でオーストリア・ハンガリー帝国が滅びるまでは成功を収めました。戦後、イドリヤはイタリア領になり(ここいらへんの歴史は本当にこんがらがります)、ドイツのマーケットで売り上げを納めてきたレース産業は打撃を受け、新たな市場開拓に苦労したようです。

間もなく第二次世界大戦が始まりますが、追い討ちをかけるようにレース産業は衰退し、学校の職員も職を失うことになったそうです。

現在のイドリヤレース

スロベニアの大切な文化遺産として、その技術はレース学校で受け継がれています。今現在は400人の生徒さんがレース作りを学んでいるんですよ。

習い事として楽しむ方も多く、私の主人のおばあさんのように趣味でレースを作ってる方もいれば(本当に面白いモチーフを作ってます)、しっかりライセンスを取りお土産用に販売している方もいます。

ハリネズミのレース。かわいいです。

お土産屋さんへ行けば、伝統的なデザインのものはもちろん、可愛らしいクリスマスオーナメント、様々なモチーフのピアス、ネックレスなどのアクセサリー、スカーフの一部の装飾として利用されるなど、実生活でも利用できるものがたくさん販売されています。

何百年も受け継がれてきた伝統技術をしっかり現代にも残そうと、職人さんたちは頑張っています。

お土産にぜひ!

お土産としても嬉しいのが、軽いので持ち運びが最強に楽ということです!スーツケースの場所も取りません。

絵のように飾ることができるモチーフやアクセサリー、オーナメントなど商品のバリエーションも豊富です。

スロベニアのお宅ではレースをフレームに入れて飾っているのを見かけます。私も日本へ贈り物としていただきましたが、家族もフレームに入れて飾っています。お客様にはいつも「これどこで見つけたの?」と言われるほど綺麗です。

私はピアスを持っているのですが、フォーマルにも見えるし本当につけている感じがしないのにエレガントに見える優れものです。25ユーロでレース学校から購入したのですが、本当に買ってよかった!金属のジュエリーもいいですが、誰とも被らないおしゃれとしてもイドリアレースアクセサリーはオススメです。

お気に入りです
いただいたブローチもお気に入り。

レースはとてもエレガントで繊細な雰囲気を出してくれますし、本当につけている感じがしないほど軽い!フォーマルな場にもしっかりつけていける商品だと思います。

なお実際お店で売っている商品はプロだという認定証を持っている方が作成しているという保証済みです。スロベニアで正式にこのライセンスを持っている人でないと販売できないという決まりがあります。偽物などは売っていませんので安心してください。

ぜひスロベニアのお土産として検討してみてくださいね。

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