ポストイナ鍾乳洞の洞窟システムはなんと24,12kmでスロベニアで2番目に長い洞窟です。しかし、観光部分は5kmになります。写真撮影もビデオ撮影もできる観光に優しい洞窟です。洞窟内はおよそ8〜10度と一年を通して一定の気温となっています。1時間半洞窟内にいると、夏でも芯が冷えちゃいますので観光するときは羽織るものを持参してくださいね。
鍾乳洞の歴史
ポストイナ鍾乳洞は1818年、スロベニア人のLuka Čečによって発見されました。最初の観光客はなんとオーストリア皇帝フランツ1世で、1819年のことでした。それ以来幅広く知られるようになったのです。
観光できる洞窟部分はおよそ5km。そのうち3,7kmを電車で、残りを徒歩で観光するようになっています。しかし19世紀の時の観光は全て徒歩。電気もなくろうそくを片手に観光したと思われ、その観光時間は約4時間かかったと言われています。今の観光時間は全て合わせて1時間半ですから、すごい違いですよね。また鍾乳洞内はあかりがなかったら真っ暗。ある意味命がけの観光だったことでしょう。
ちなみに、洞窟内に電車(またトロッコ)があるのはポストイナ鍾乳洞だけです。最初は1872年、二人乗りで人力で動かすリキシャから始まり、1924年に蒸気機関車、1957年に電車、1964年に二線軌道化隣、1968年に今の電車の状態になりました。

1884年には首都リュブリャナに先立ち、ポストイナ鍾乳洞にアーク放電による電気が設置されたのです。観光に当時から熱心だったことが伺えます。
洞窟内にはロシア橋と呼ばれる橋があるのですが名前の由来は、第一次世界大戦時のロシア兵捕虜がこの橋を作ったことに由来しています。
第二次世界大戦時にはこのポストイナはドイツに占領され、洞窟内に戦機の燃料が入ったたるを保存していました。しかし、旧ユーゴスラビアのパルチザン軍が1944年の4月に洞窟を解放したのです。
日本からも数多くの皇室の方々がお見えになり、最近では2013年に秋篠宮ご夫妻が訪問されました。
洞窟の自然

色々な形の鍾乳石
洞窟では大きく分けて3つの種類の石を見ることができます。一つ目は石筍(Stalagmite)と呼ばれる石で、下からニョキニョキと育つ石です。
天井から下がるようにしたへ成長する鍾乳石はつらら石(Stalaktit)と呼ばれます。
たくさんの形を成す鍾乳石ですが、面白いことにカーテンのような石も観ることができます。
石の形も様々で、日々成長していますから想像力を働かせて見ていけば色々な景色を楽しめること間違いなしです。本当に形が様々ですから、見ようによってはユニークな形の石を観れるはずです。ガイドさんがベーコン、プロシュート、アイスクリーム、などなどニックネームをつけながら説明をしてたのが笑えました。素晴らしい地下の世界を楽しんでください。
石が白ければ白いほど、石灰の純度が高く本当に希少なんだと実感します。堂々と洞窟の終わりの方に立つbrilliantは大迫力です。
洞窟の生物
特別な生物といえば、ホライモリ。英語ではOlmと言いますし、スロベニア語ではHuman Fishと呼ばれている生物です。ホライモリたちはなんと寿命約100年で、10年に一度食事をするだけで生きていけるなんともいえない効率的な生物。しかし成長もとってもゆっくりなのだそうです。
なんと2016年にこのイモリが50この卵を産み、22匹が羽化しました。これはとても珍しいことで、世界的なニュースになりました。
イモリたちは洞窟観光の終盤に観察することができます。しっかり水槽で飼われていますが、光に大変弱いので光を当てず注意深く水槽を見ればホライモリが見えますよ。
観光に開けれていない奥の洞窟では色々なリサーチが行われていて、虫やコウモリなど多くの生物が生息しています。洞窟とは別に博物館もあるので、ぜひそこへも興味がある方は立ち寄って見てくださいね。
スロベニアで一位の入場者数を誇るポストイナ鍾乳洞は、皆さんの期待を裏切りません。ご家族づれでも最高に楽しめますので、ぜひ立ち寄って見てくださいね!