首都リュブリャナのシンボルは綺麗な川でもなく、美しい緑でもなく、怪物ドラゴン。市のエンブレム、カープレート、旗、リュブリャナ生まれのビール、ウニオンやサッカーチームのロゴになっているのがドラゴンです。その理由をご紹介します。
1. ジェイソンとアルゴノーツの伝説
ギリシャの英雄ジェイソンの物語で、彼は王になるため金色の羊の皮を探しに黒海まで旅に出ます。見事それを獲得したあと、危険を回避するために行きとは別のルートで故郷へ向かいます。ドナウ川を超え、リュブリャニッツァ川の水源で冬を越し、かなり遠回りながら旅を進めます。
その途中、今現在の現在のヴルフニカとリュブリャナの間にある湖(リュブリャナ沼地)にアルゴ船は迷い込み、そこに住んでいたドラゴンを対決し見事勝利したという伝説からドラゴンがシンボルになったという説があります。
そのあとはリュブリャニッツァ川、サヴァ川を通って帰路についたそうです。
2. 聖ユーリの伝説
聖人ユーリ(Sv. Jurij)はスラブ人古来の宗教を打ち負かした聖人として知られていて、リュブリャナ城にあるチャペルの守護聖人となっています。フレスコ画などには馬に乗って、やりでドラゴンと戦っている様子が描かれています。
スラブ人の神話によるとドラゴンはスラブ人古来の宗教上最大の神、ペルーンに対抗するヴェレサという神として描かれていたそう。
古代、スラブ人古来の宗教だとリュブリャナ城がある丘は聖地で、骨壷を運ぶ人たちの要塞があってまたそこで自分たちの神様を崇拝していたそうです。中世の時今のリュブリャナ城が建てられた時、スラブ人古来の宗教を廃止したいという願いがあったため、城内のチャペルに聖ユーリを祀ったという説もあるそうです。
3. 中世からのシンボルとして
中世の時からドラゴンは市の要塞や門のマークに用いられていたり、それから紋章の上部の飾りとして用いられるようになっていたそう。当時の神話や伝説が受け継がれていたんでしょうね。
第二次世界大戦後はタバコのパッケージ、ウニオンビールのマークとしても使用されていてすっかりリュブリャナ=ドラゴンというイメージが定着しました。リュブリャナ市の紋章もリュブリャナ城とドラゴンの組み合わせです!
私たちがイメージしているドラゴンとは少し違う、しっかりしたドラゴンはリュブリャナ特有のフォルムです。市内にはいたるところにあふれていますから、キャッチしに来てくださいね。
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