【キリル・メトドセルビア正教会】リュブリャナで唯一のセルビア正教会

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首都リュブリャナに堂々とそびえ立つセルビア正教会は、国立美術館、モダン美術ギャラリー、ティヴォリ公園、バレエ・オペラ国立劇場の近くにあり、独特の存在感がある教会があります。これはセルビア正教会で、リュブリャナにたくさんあるカトリック教会とは違う宗派のものです。

スロベニアの正教徒

スロベニアは大多数の方々がカトリック教徒ですが、1918年第一次世界大戦後オーストリアハンガリー帝国が崩壊した後、ユーゴスラビアとなってからは正教徒の人たち(セルビア、マケドニアの人たち)がスロベニアへ来るようになり、その正教徒の人たちそして新たなユーゴスラビア王、アレクサンダー・カラジョルジェヴィッチのために教会が建設されました。1921年にプロジェクトが始まり、教会の基本形は1932年に完成し、当時のセルビア正教会の総主教であったヴァルナヴァ氏が祝福を捧げました。

長かった教会完成までの長い道のり

圧巻の内部

正教会は1932年にその基本形が完成後、あらたにセルビア人建築家のモミル・コルノヴィッチが教会を設計し、スロベニア人の画家ミルコ・シュビッチがアイコンを手がけました。

モミルはセルビアで有名な建築家で、ビザンティン帝国風のスタイルを用いた建物が彼の特徴として有名です。具体的にこのスタイルはセルビアでは中世の教会建築に取り入れられドーム型の屋根に、教会の中心部が十字架(英語ではCross in Squareといいます)になるように設計されています。キリル・メトド正教会は5つのドーム型の屋根にこの正方形の十字架スタイルが取り入れられています。

1940年、スロベニアが第2次世界大戦で大惨事に会う前に完成しました。1990年代には新たにセルビアの彫刻家や画家の方が内部の装飾を完成させています。しかしながら、アレクサンダー王は完成を待たずして、1934年に亡くなりました。

私もしならなかったのですが、教会の完成というのはある儀式を経て正式に完成となるらしく、その儀式が行われたのはなんと2005年のこと。当時のスロベニア主そうヤネス・ドルノヴシェクとリュブリャナの総司教のアロイズ・ウラン氏立ち合いのもと教会は正式に完成しました。

2010年には文化的に大事なモニュメントとして正式にリュブリャナ市に登録され、2016年にはセルビア語の父、ヴク・カラジッチ氏の銅像が建てられました。

ヴク・カラジッチの銅像

正教会の今

色々なスタイルがありますが、カトリック教会には椅子がありますが、正教会にはなく、とても広いスペース。聖書や聖人をモチーフに様々な絵が描かれますが、カトリックのものとは違い立体的ではなく平面的です。

入場料は無料で、なんと写真撮影もガンガン許可してくれる数少ない教会です。

コロナ禍では、教会を訪れる信者の方や観光客の方はぐんと減っていたようですが、それでも毎週末は赤ちゃんの洗礼や結婚式などで毎年忙しくなっているそうなんです。昔に比べると「いまの世代の方々がしっかりと伝統を守るようになってきたように思える」という話を聞きます。以前は洗礼をやらなかったり、ましては教会で結婚式をするのは時間も費用もかかるので、億劫になる人が多いわけです。

ですが、今の若い人たちは様々な催し事を伝統に従い教会で行う方が多いのですね。それもこれも、自分の出自、アイデンティティを大切にする表れなのでしょうか。

ぜひ皆さんもリュブリャナにあるセルビア正教会へお越しくださいね。

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