起源を辿ると、サンタクロースはキリスト教の聖人、聖ニコライがモデルになっているそうです。裕福な家庭に生まれましたが、その豊かさを貧しい人たちに分け与えたことで聖人になます。
ただ日本でもお馴染みの、クリスマスイブの日にプレゼントを子供達に届けてくれると言うサンタクロースの風習はアメリカから来たものです。
もっと言いいますと、クリスマスイブに赤鼻の赤いお洋服を着た、白髭のサンタクロースが子供達に贈り物を届けにやってくる・・・・。実はこれも1930年代にアメリカコカコーラ社のマーケティングで作り上げられたもので、今ではすっかり世界中に定着しているんですよね!
それまではサンタクロースなる「優しいおじいさん」の姿はそれぞれ!スロベニアにはスロベニアのサンタクロースのイメージがありますし、ユーゴスラビア時代に伝えられた大晦日にやってくる「サンタクロース」もいるんです!
「ミクラウシュ」がスロベニアのサンタクロースです
すっかり12月24日のサンタクロースが世界中に定着したいまでも、スロベニアでは12月6日が特に子供たちにとってはハッピーな人なります。
この「ニコライ」はスロベニア語っぽく言うと、「ミクラウシュ」と言います。そしてなぜ12月6日なのかと言うと、それはこの日が名前の日(Name day)だから!これは、365日毎日この日は誰々の日と名前がついているんですね。スロベニア語でカレンダーを買うと、この日はマルコの日、この日はアンジェリカの日と書いてあるんですよ。
なのでニコライの名前の日に贈り物が届くと言う言い伝えになります。
ミクラウシュはキリスト教の聖人なので、服装も司教様と同じ。つまり長い帽子に杖を持っている服装になるわけです。
よくスロベニアでは「ミクラウシュのプレゼント」と言う看板が出てお店がセールを行ったり、色々なマーケティングにも使われていますし、24日よりは6日の方がスロベニアの盛り上がりは印象が強い感じがします。
大晦日にくる「デデク ムラス」
もう一人のサンタクロースは、「デデク ムラス」です。直訳すると寒いまたは冷たいおじいさん、と言う意味です。
第二次世界大戦後、スロベニアは共産主義・社会主義のユーゴスラビアの構成国になり、宗教に関係する祝日を公に祝うことはなくなりました。そこで、ソ連の神話、大晦日に子供だちにプレゼントを配る「デデク ムラス(Dedek mraz)」が導入されます。
彼はトリグラウに住んでいて、長いコートに皮の長靴をはいていて、馬車または徒歩で贈り物を届ける、と言い伝えられています。
よくいい子にしていないとプレゼントはないよ、と言い聞かせられますが、このデデク ムラスはすべての子どもが大好き(笑)
いまでも劇場、幼稚園、小学校などで彼の物語が語られるんですよ。
ユーゴスラビア崩壊後はアメリカの風習もどんどん入って来て、信仰深くない人たちは24日に、逆の人は6日がサンタクロースが来る日としているようです。しかしながらいまでもデデクムラスも語りづがれていて、興味深いですね。
聖ニコライとリュブリャナ
この聖ニコライは、船乗りや漁師の守護神とも言われています。彼の家系がそういったことに携わっていたからだそうです。リュブリャナには聖ニコライ大聖堂が旧市街にありますが、もともとリュブリャナを流れるリュブリャニッツァ川は物資運搬用の船や漁師さんが往来していたので、理にかなってます。
もし他の国で聖ニコライ大聖堂または教会がある場所を見つけたら、川や海が近くにある、またはそういった歴史があるサインとも読み取れますね。
サンタクロースから色々わかるなんて、クリスマスって本当に特別な祝日です!
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