リュブリャナの旧市街、もっと詳しく言うと旧市街に続くプロメナーダといわれる通りがあります。正式名称は「ツァンカル通り」といわれるのですが、この通りは旧市街の中心、プレシェーレン広場とリュブリャナで一番大きな公園、ティヴォリ公園をつなぐ道です。しかも両サイドには、バレエとオペラの劇場、モダンギャラリー、セルビア正教会、国立美術館、そしてカフェやレストラン、映画館、デパートも並ぶ、まさに大通り(笑)
戦前は地元の人が清掃してこの通りを歩くことが習慣になっていたそうで、中には新しい友人やパートナーを見つける方々もいたそうです。しかし第二次世界大戦後すぐは、そういったフリータイムを一般の方は失いました。月曜日から土曜日まで様々な肉体労働、工事に従事することが求められ、日曜日はボランティア活動と称したいわゆる残業が科せられる人もいたそうです。
また戦後は1950年代は150,000人ほどに増えましたが、リュブリャナは首都とはいえ小さな町です。戦争中いったいどっち側の見方をしたのか、共産主義のスパイなのか、または反共産主義者なのかということを気にした人たちはリラックスして大通りを歩くことができなかったそうです。また1960年代には車移動も可能となり、歩くには適さない通りとなってしまいこの通りの風景というのはがらりと変わりました。
しかし、今スロベニアは社会主義でもないし第二次世界大戦の惨事を乗り越えて新たな道を歩き出しています。
地元の人はもちろん、ヨーロッパをはじめ様々な人がスロベニアを訪れこの通りを通っています。
もうここに住んでいるとまさに何の変哲もない普通の通りなのですが、こういう歴史があったのだなーと思うとまた面白いです。
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