1999年の春、日本の財団法人日本さくらの会より桜の木が贈呈され、日本の桜の木がスロベニアへやってきました。その後2000年10月9日、植樹式が行われて以来毎年リュブリャナで花を咲かせています。
リュブリャナ大学植物園のヨージェ・バウツォン教授によると、この桜は本当に日本からきた価値があるもので、しっかり『隔離生活」をさせないと、こういった植物の移植は成立しないそうです。
実はこの桜は植樹される前、リュブリャナ大学植物園で隔離されていました。特別な場所に植えられ、スロベニアで病気にかからないように、またはこの桜がスロベニアの固有種へ悪影響のある菌がないかを調査するために、しっかり1年間管理されていました。植物だけでなく虫などにも影響を及ぼしてしまいすからね。
その隔離生活を経て、今は21年経っても元気に花を咲かせています。教授によると、今は毎日この隔離生活について我々は話題にしていますが、植物にとっては普通のことだそう。植物が色々バランスをとっていても環境が変わり新しいウイルスが発生すると植物界でもコロナウイルスのような現象が起こってしまうそう。スロベニアの桜や植物が大変な被害を被るわけですね。
辛いですが、この桜同様、人間もしっかりウイルスを防ぐための行動が今こそ求められているのですね。
桜がなくなる危機に直面しているんです
実はこの桜がある場所は生物学研究所の近く。去年、研究所は新しい施設を建設するためにこの桜を伐採するという計画を発表しました。これに多くのスロベニア人は反対してくれたんです。
この桜は日本とスロベニアの国交を示す大切なシンボルで、20年咲き続けてくれたわけです。何か解決策はないのかとボランティア団体がウェブサイトまで作って抗議をしました。最初、研究所側は近くにそのまま移植すると言いましたが、バウツォン教授は非常に難しいという見解を述べています。移植に向かない植物だし、準備にも数年かかるため最良の策はこの桜をそのままにして施設を立てること、と言っています。
また非常に皮肉なことに、今生物学研究所のある場所はリュブリャナの植物園が立つ予定だった場所でもあるんですよね。近くに動物園もあるしいい組み合わせだと思ったのですが、何を間違ってしまったのかリュブリャナは生物学研究所をこの場所に建ててしまいました。
今年は自主隔離生活もあって、日本に興味がない方もこの桜を見に多くが訪れたそうです。日本人だけではなく、たくさんのスロベニア人が桜に感動してセルフィーをしたり、お花見イベントが開催されたりしてスロベニアに馴染んだところだったのに。
切らないですむ方法はないのでしょうか。
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